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自衛隊での思い出〜前期教育編⑧〜戦闘訓練!25キロ行軍!ハイポートで体調不良者続出!?

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山での野営訓練も終わりに近づき、戦闘訓練検定と、25キロ行軍がありました。

 

 

戦闘訓練

戦闘訓練では、広大な草原を駆け回り、

目標地点までダッシュ、ほふくで移動し、遮蔽物に隠れて射撃しながら進みます。

 

 

あらかじめ自分が進むルートが決められているのですが、

自分のルートには戦闘訓練前に雨が降っており水溜まりができていて最悪でした。

 

 

班長「水たまりこそ、凹んでるところだからな!銃弾を浴びにくいところだから、積極的に飛び込め」

 

 

と言われており、水たまりを避けようものならば

 

 

「何やってんだ!!飛び込まんかい!!」と怒られます。

 

 

確かにその通りなんですけど、泥で汚れた戦闘服、半長靴洗うのは超大変!

 

 

しかも汚れ落ちてなかったらが待っている。

 

 

なのでなるべく汚したくない・・・と思うのが新隊員。

 

 

洗うの面倒くさいから、何とか班長にバレないよう水溜まりを避け、伏せていたところ。

 

 

班長よりも偉い、区隊長にバレました。

 

 

「何やってる、浸からんか」

 

 

ひえええええん。

 

 

というか自分の進むところ全てに水溜まりできていて、全身泥だらけになり最悪でした。

 

 

戦闘訓練検定は「よく出来ていた」と褒められました。

 

戦闘訓練後、薬莢探し

2人組になって、命令とともに、1人が前の遮蔽物まで走り、もう1人は援護射撃します。

 

 

そして走っていった、1人が到着したら、今度は援護射撃していた1人が走り、到着している1人が援護射撃します。

 

 

このように交互に、進んでいきます。

 

 

射撃時には、空砲使います。

 

 

訓練の最後に薬莢をがちゃんとあるのか確かめるのですが、

 

 

「薬莢が1つない」

 

 

薬莢が落ちていました。

 

 

戦闘訓練では絶対何個か落ちるから、といって怒られはしませんでしたが、

 

 

自衛隊は薬莢をも、全員で捜索するのです。

 

 

広大な草原をのなかに落ちている薬莢を教育隊全員(総勢140名近く)で探しました。

 

 

針山で針を見つけるようなもんです。

 

 

薬莢を探すなんて世界の軍隊の中で、自衛隊くらいのもんです。

 

 

100歩譲って武器の部品が落ちたから捜索なんてわかりますが、

 

 

薬莢ってゴミでしょ?リサイクルもできないでしょ?何で捜索すんの?

 

 

山での訓練時間の3分の1くらいは薬莢探しの時間だったと思います。

 

 

自衛隊・・・こんなことやる暇あったらもっとやることあるんじゃないの?)

 

 

25km行軍後の地獄のハイポート

そして野営訓練の最後、25キロ行軍がありました。

GW前の10キロ行軍に比べて、15キロも長いです。

 

しかし、この時期は、みんな体力がついてきており、根をあげる人なんていませんでした。

 

 

歩いている途中、保育園生に「がんばえーー」と励まされたり、

雄大な山景色をみて、「何と綺麗なのだろう」と感動したりしました。

 

 

そんなこんなで

リタイアした人も、体調不良起こした人もおらず、全員で歩き切ることができました。

 

 

そして、25キロ行軍の最後、区隊長の暖かいお言葉で2区隊に悲劇が。

 

「よく頑張った。厳しい訓練に耐え、錬成してきた結果が出せたと思う」

 

「そして最後に、自衛官としての心意気を!!2区隊が培った練度をみせてもらいたい!!」

 

「全員でハイポートを行う!荷物を降ろし、縦列に並べ!!」

 

※ハイポートとは銃を持って走る、陸上自衛隊で一番きついといわれているやつ。

 

 

25キロ行軍の後、疲れてはいましたが、

「よっしゃこれこそ自衛隊だよな」とわたしは嬉々として走りました。

 

 

「1!ソーレ2!ソーレ!3ソーレ!4!ソーレ!」

「いちっにっさんっしっにーにっさんしっ!!!」

 

 

が、しかし

 

想像以上にキツイ!!!!!!!

 

 

てっきり1キロくらいで終わるのかと思えば、全然終わる気配がない。

 

 

(え、これまだやんの?)

 

 

43人で走っていたが、気がつけば隊列から遅れるものばかり。

 

 

班長「お前ら!!!声出さんか!!楽してんじゃねえぞ!!!」ドカっ!

 

 

班長が別の班のやつを蹴り飛ばす。おお怖い。

 

 

そして走ってるのはもはや10人くらいの体力あるやつと、

隊の先頭で行き先を指定する班長と、

なんか知らんけどブチ切れている我らの班長だけ。

 

 

区隊長と他の班長は遅れている人のケアに。

 

 

あの班長(レンジャー)も今回ばかりはさすがに「大丈夫かな?」という顔をしている。

 

 

班長「そんなんで自衛隊やっていけると思ってんのか!!声出せ!!!!!!!!」

 

 

我らの1班長だけ、やたら元気。

 

 

そして、ようやく宿舎に戻ってきて、点呼をとりました。

点呼が終わるとすぐさま水を取れと言われる。

 

 

顔面蒼白している人や、呼吸が苦しそうな人、発汗がやばい人が何人もおり、

体調不良者が続出し、2区隊の宿舎は野戦病院のようになりましたw

 

 

衛生隊員が駆けつけて来られ

「おい!水持ってこい!!」「わかるか!?」「大丈夫か!!?!」

 

 

なんて声があちらこちらから聞こえる

 

 

熱中症疲労でぶっ倒れて10人以上が病院に運ばれる。

 

 

衛生陸曹が班長、班付に向かって

 

「お前らあああ!!自衛官候補生殺す気かあああ!!」

 

と怒鳴っておられる。

班長が怒られているところ初めて見たよ。

 

 

この訓練の後、2区隊は教育隊長から「厳しすぎる」という警告を受けたようで、

班長、班付きが前よりも優しくなりました。

 

 

班長「教育隊長から警告を受けた。あんまり厳しくするなって」

 

 

「何でわかるか!?お前らが雑魚やけんたい!!!!」

 

 

「こっちだって色々考えて、お前らが部隊で苦労しないよう教育してるのによ」

 

 

「あれで厳しいとか思うなよ!!全然甘いけんな!!」

 

 

班長の気持ちもわかります。

昔の自衛隊は、25キロ行軍の後にハイポートなんて誰もが通る道だったそうです。

 

 

班長たちもやってきたそうです。

 

 

それが、「厳しすぎる」と警告を出されたんですから。

 

 

自衛隊入隊者の体力が年々低下しているんでしょうね。

 

 

わたしも入隊して、同期の体力のなさにびっくりしていました。

 

 

腕立て8回しかできないやつがいて、よく自衛隊行こうと思ったな・・・と思いました。

 

 

自衛隊だからといって、体力自慢の人たちばかりではありません。体力自慢はむしろ少数です。

 

 

今、自衛隊志願者は「公務員」に引かれ入ってくる人もいますから。

 

 

自衛隊も人手不足で悩んでいるようなので、体力は入隊してからつければいいと考えているようです。

 

 

でも体力つけようにも厳しすぎて辞められては困る。

 

 

区隊長、班長たちは相当苦悩したのだろうと思います。

 

 

わたしは、国民を守るための組織に入隊するわけなんだからある程度の体力はつけてくるべきだと思います。

 

 

自衛隊での思い出⑦前期教育で一番きつかった野営訓練 - 孤独図書館

に続く。