自衛隊での思い出〜前期教育編④〜GW突入!気がつけば自衛隊に染まっている身体。
自衛隊に入隊して1ヶ月ほどでGWに入ります。
GWに入る前に自分の希望職種を決めました。
職種とは、普通科とか、機甲科、そういったもので
職種によって活動していることが違います。
陸上自衛隊は職種が16種に分かれています。
16種ざっと説明します。(気になる方は陸上自衛隊のHPをみてください)
普通科:歩兵。映画でよく見るやつ。
機甲科:戦車に乗ります。偵察隊もあり偵察隊だとバイクに乗れる。
特科:敵を蹴散らすためのでっかい大砲を打ちまくる科。
高射特科:ミサイルや戦闘機を撃ち落とすための対空兵器を扱う科。
航空科:ヘリコプターを操作して地上部隊を支援する科。
情報科:ネット上でも争いが起こる時代。サイバー攻撃したりサイバー攻撃を防いだりする科。あとドローンとかも使う
施設科:重機械操作して陣地作ったり、川に橋をかけたりする科。地雷撤去とかもやる
通信科:電子機材を持って連絡線を確保する科。
武器科:武器、車両などの整備する科。
需品科:食料、燃料、洋服などを管理する科
輸送科:トラック運転して部隊とか戦車運ぶ科
経理:給料とか物資をいくら使ったかの会計計算する科
衛生科:患者の治療とか防疫する科
化学科:放射線物質といった汚染されたものを除染する科
音楽科:演奏して士気向上させたり広報活動したりする科
この中から自分の希望する職種を決めなければなりません。
戦車に乗りたいのなら機甲科。大型トラックの免許が欲しいのなら輸送科。ヘリに乗りたいのなら航空科というように。
陸上自衛隊だからといって、全員が毎日銃持って走って、ほふくしているわけではありません。
そんなことしてるのは普通科くらいです。
経理とか軍需科とかは銃をほとんど握らなくなるそうです。
人気だったのが、輸送科、武器科、軍需科、経理でした。
人気の理由は「楽そうだから」です。自衛隊といってもそんなもんです。
わたしの区隊には経理科と軍需科の班付がいたのですが、
経理の方はまじデブでした。体力なんて余裕で新入隊員のわたしの方が勝ってました。
軍需科の班付に「軍需科って普段何してるんですか?」と聞くと、「一日中洗濯したり、戦闘服仕分けたりしてる」なんて言われてましたので、(クリーニング屋か!)
普通科、機甲科に比べて確かに楽なのかもしれません。
正直、軍需科なんていらんくない?と思っていましたが、
補給というのは軍隊にとってとても大事ですから軍需科をなめてはいけませんね。
補給をおろそかにした日本軍は散々な目にあってましたので…
おそらくそれの教訓(トラウマ)から軍需科は作られたのではないかと思います。
わたしは空挺団で最前線で戦うという希望だったので普通科一択でした。
ちなみに普通科はぶっちぎりの不人気です。
そんな普通科を熱望していたわたしは「変わり者」扱いさていました。(まぁ班長にもお前のように国防を目的に入ってくるやつなんていない。なんて言われていたし仕方ないね
そして、自分の希望通りの職種に配属されるかは、前期教育の成績に関わってきます。
成績上位の人ほど、希望職種にいけます。
職種は一度決まると基本変えられません。(階級が3曹に上がる時、運が良ければ変えられる)
武器科希望だったのに、普通科になったからやめてもう一回入りなおすなんていう人も珍しくありません。そうなれば前期教育をまたやる羽目になります。
なので、新入隊員の方は希望職種を勝ち取るために前期でいい成績が取れるよう頑張りましょう。
GW。気づけば自衛隊に染まっている身体。
わたしの教育隊は10日間のGW休暇でした。
今書いてて思ったけど、GWで10日も休めるなんて凄い。さすが公務員。
わたしはGWは前半は付き合ってた彼女と過ごしました。
1ヶ月間、野郎どもに囲まれて生活していたので、彼女がいつにも増して可愛くみえました。
寝言で「はいッ!!」なんてこと言ったり、寝ぼけて「あれ?他の連中はどこ行った?」みたいなこと言っていたそうです。
朝も6時前に目が覚めたり。(起床ラッパもないのに)
13時をひとさんまるまると読んだりします。
歩き方ですら、「なんかシャンってなったね!」と言われました。
そして、食べるスピードが格段に早くなっています。
そして、自分の部屋が散らかってると落ち着かなくなります。
そして、ラッパの音が死ぬほど嫌いになっています。
そして、顔つきが変わったと言われます。
たった1ヶ月でこれだけ自衛隊に染まるんです。
同時に人って1ヶ月でこれだけ変わるんだなと思いました。
自衛隊の生活は全てが未知の体験です。
移動、食事何から何まで全て団体行動、
何時から何時に何をやると規則正しくきっちり決まっている。
こんな経験するの自衛隊くらいのもんでしょう。
初めてがいっぱい(意味深)なので色んなことに気づけます。
良くも悪くも人間関係がかなり濃いので、同期から学ぶことがたくさん。
わたしは、学生時代友達という友達がおらず、人間関係が希薄だったのでしたが
見ず知らずの人と3ヶ月間一緒に過ごすことは自分の世界を広くすることができました。
あと靴を磨くのが上手くなったのと、アイロンがぴしゃりとかけれるようになったのは現生活でも結構役に立ってます。
GWの後半は基本教練の練習を家や公園でやっていました。
わざわざこんな面倒なことしていたのは成績優秀者になって何としてでも空挺に行きたかったから。
傘をもって「控え銃」「捧げ銃」などの動作を一生懸命やっていました。
自衛隊は銃を持つのにも、決まった動作があります。(面倒だね)
この動作が綺麗だとかなり評価されます。そして綺麗に決まるとくそカッコいい。
傘使って銃の構えの練習やら、公園で行進の練習やら。
はたから見たらおかしな人のような日々を過ごしていると
GWが終わりに近づいてきました。
それなりに意識が高く入隊したわたしでもGWがどんどん終わりに近づくにつれ
「あぁまたあの生活に戻るのか」と憂鬱になっていました。
10日ぶりに出会った同期の顔は、死刑執行前のような顔をしておりました。
GWも明け、錬成期に突入していきます。
続く